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紫の煙に
埋もれた路地を彷徨って
くたびれたこの身体を
癒やすのは遠くの幻だけ
こすれた服の音
後ろを追いかけてくる声
一体何をしたと言うのか
僕に構わないでいてくれよ
投げ出してしまえば僕はもう
悲しくて息もできないや
それだってシニカルな笑みに
変わってしまって終わるだろう
セブンスターの煙を
ため息と共に吐き出したら
僕を惑わした記憶が
空中を漂い蠢いた
逃げ出してしまった僕はもう
頑張っても愛されないから
こうやってラテラルな街を
彷徨ってはまた逃げるのさ
サーチライトに照らされた僕は
逃げたくても逃げられないんだ
いつだってロジカルなままで
いたかっただけのことなのに
レザーシューズの乾いた足音
逃げたくてももう手遅れかな?
そうやってコミカルな様で
感情に任せて吠えりゃいい
そこでへたり込んだ僕は
薄ら笑いを浮かべてさ
melancholy cat
劣等感に苛まれ
君は圧倒的に憂鬱だね
なんで人間てのはこんなにも
弱い生き物なんだろうって眺めている僕さ
ずっと前から僕は
君を一方的に愛してる
どうしてどら猫なんかに
生まれてしまったんだろうって嘆いている僕さ
どうせこのまま夢の続きを見ることもなく
管を巻いてなんかただ歳をとって
そんなところだろう
どうして叫んでも愛の振動は
君と同じ言葉にならない?
微笑んでくれたあの日の君は
見る影もなくして
鬱然とした部屋から
君が突然飛び出してきた
涙をこらえようともせずに
走る君を追いかけようと駆け出す僕さ
ヘッドライトにゆらり君が吸い寄せられてく
よりによってなんでこんなちょっと待って置いて行かないで
思わず突き飛ばした愛の衝動が
姿を、僕の姿を
人間に変えたのだろうか
これは夢の続きなのか?
憧れていた君と暮らし始めて幾年(いくとせ)
なのに僕はなんでこんなちょっと待って
どんな顔をしてる?
どうして人間はがんじがらめに
縛られて生きていけるのか
見渡せば嘘だらけで
何を信じていけばいいの?
逃げ出した僕の行動は
いつかの君のようだね
もしかして君も本当は
どら猫だったのか?
my memories go by
あなたは風のように
私を優しく包んで
あなたは風のように
刹那に過ぎたの
あなたは雲のように
大きくて掴めなくて
あなたは雲のように
どこか遠くへ
見慣れた景色
二人で過ごした街
染み付いた思い出が
私を弱くする気がするから
コンクリートに囲まれた
空のない場所を探すの
寂しいとあなたに伝わるまで
私はそこにいるわ
あなたは月のように
私を優しく照らして
あなたは月のように
太陽に消えた
そういえば私あなたに
泣かされてばかりいたわ
本当は許したくないけど
どうか帰ってきて
コンクリートに囲まれた
空のない場所を探すの
寂しいとあなたに伝わるまで
私はそこにいるわ
my memories go by
rhythm
どこか遠くで銃声が響く
すぐ近くでクラクションが鳴る
同じアルゴリズムで踊らされてるだけで
しょうか
5th avenueを北へ走れば
ネオンサインが指を鳴らす
我関せずな顔でいつまでいれるでしょうか
今宵の月は負けず劣らず
艶美な光を身にまとって
あなたを照らす
美しくて、目を離せない
no no maybe
恋ではないけど終わらせてほしくない
月が笑う
no no crazy
あなたのリズムにこの身を任せて踊る
Wednesday night
ワイングラスが深紅に染まる
静寂に心が溶けて
違うナショナリズムも悪くないような気がするわ
明日の朝はわけもわからず
孤独の淵に脚を揃えて
私はずっと同じことを繰り返していく
no no maybe
終わらせたいけど終わらせてほしくない
月が笑う
no no crazy
あなたのリズムがこの身を壊して遊ぶ
Wednesday night
no no maybe
恋ではないけど終わらせてほしくない
月が揺れる
no no crazy
あなたのリズムにこの身を任せて踊る
Wednesday night
hanabi
あなたは誰を想い
何を慮(おも)っているのでしょう
今日もまた勇気を出せずに
あなたへの想いを心にしまう
独り夜空 見上げれば
色とりどりの光
たった一瞬
たった一瞬でいい
あなたが見てる間に輝けるなら
咲いて 咲いて
散りゆく花火
高く 高く
夜空を照らせ
あなたは誰を愛し
何を選んでゆくのでしょう
今日もまた一言が伝えられず
自分抱いて泣いています
ただ二人別々の時間(とき)が
流れてゆきます
たった一つ
たった一つの
あなたの花火になれたのなら
迷うことなく空へ打ち上がり
咲いて 咲いて
散りゆくでしょう
遠く 遠く 遥か彼方に
散った花火は涙になるの?
泣いて 泣いて
掌に落ちた
花びらたちはいつか
たった一瞬
たった一瞬でいい
あなたが見てる間に輝けるなら
咲いて 咲いて
散りゆく花火
いつかあなたの心に咲け
insomnia
9月の寒い夜
星が綺麗だった
私はその手を離した
赤いランプを消して今日も
瞼を閉じた深夜2時
考えすぎてしまう癖が
またこうやって目を覚ますんだ
孤独だなんて口にすれば
私は私を恨むだろう
心の奥にはいつでも
あの日の滲む情景
悔やんでるわけじゃない
同情ってわけじゃない
ただ寂しいだけの独りよがりじゃない
心に渦を巻くこの気持ちは何?
9月の寒い夜
星が綺麗だった
私はその手を離した
小さな指先に温もりを残して
さよならの言葉にただ頷いたあと
あなたのその肩が震えていたのを
知らないふりをして空を見上げていた
霞んだ視界の隅
星が流れたんだ
気のせいかもしれないけど
私はぼんやりと何かを願ってた
遠くのビルの上
覗き込んだ朝日が
私の袖を掴んで
動けなくなる前にそっと背を向けたのに
眠れない夜をいつまで過ごすのだろう
lagavulin
ちょっと待ってよ
夢と現実
情け知らずで容赦ないのね
ここは東京砂漠の真ん中
前も後ろも右も左も何もない
ちょっと待ってよ
嘘と真実
笑いたいなら笑えばいいさ
ここは東京樹海の真ん中
前も後ろも右も左もゲームオーバー
もうため息も涙も枯れたし
ここで朽ちてしまってもいいかな?
甘い香りに誘われたのさ
因果応報的なロジックだ
シェリーカスクのアイラモルトを
オンザロックでダブルにしてね
今日は相当酔いつぶれるけど
ねえチェイサーなんて出さないでくれよマスター
この身体の周りの空気も
今や粘り気を帯びてしまってさ
こんな空虚で乾いた心じゃ
いつか芯まで染みていくんだろう
夢を語り続けたスコッチも
今日はなんだかやけに不味いや
スタイリッシュに憧れたのさ
死生有命的なロジックだ
空理空論的なマジックだ
さよなら僕のラガヴーリン
rainy lady
"不揃いの雫、不規則に窓ガラス流れ落ちる"
イメージはそんな感じ
言葉にすればきっとそんな感じ
その雫のひとつひとつ
冷たい雨の悲しい記憶
増え続けたら合わさるから
流れ落ちて涙になる
今は何もしたくないから
どうぞ私を好きにしてよ
どうせ消えて無くなるのなら
全て投げ捨ててしまえばいい
雨はまだ降り止む気配もなく
"窓の外の景色、曇るガラスで何も見えなくなる"
イメージはそんな感じ
例えるのならきっとそんな感じ
屋根と壁に守られて
ここはとても居心地がいい
「恐れないで窓の外へ」
そんなことはわかってるけど…
今は何も見たくないから
どうか私の好きにさせて
どうせ全て私のことを
悲しませては忘れるでしょ?
雨はまた勢いを増したようだ
白と黒の記憶の中は
雨のノイズがこだましてる
何が夢で何が本当かわからなくなるの
私は誰?
今は何もしたくないから
どうぞ私を好きにしてよ
どうせ消えて無くなるのなら
全て投げ捨ててしまえばいい
雨がほら私を溶かしてくの